|
---|
古事記の「天孫降臨」では、ににぎの命が「筑紫の日向の高千穂の クジフルタケに天降りる」とある。 上の地図に示すように福岡市と前原市の境に高祖山(たかす山)と クシフル山および日向峠がある。 日向峠の名称は、原田先生の「実在した神話」(学生社発行)に よれば大昔、糸島地方が日向(ひゅうが)といわれた名残をとどめた ものという。 また高祖山からは博多湾が眼下に開け、韓国に続く。古事記天孫 降臨にある「ここはカラクニに向かい・・・」とピッタリ合っている。 前述のように中山平次郎博士が80年前に発表された説が生きてくる。 この山を挟んで東側に、いわば旧王国としてBC150年頃の王都 吉武高木遺跡とBC1世紀中頃の王都須玖岡本遺跡があり、山の西側に、 いわば新王国としてBC1世紀後半の三雲南小路遺跡とAD150年頃 の平原遺跡がある。古事記のいう「天孫降臨」を果たした王とは、 新王国の王を指すものだろうか? AD57年に「漢委奴国王」の金印を貰った王、AD107年に中国 後漢の安帝に朝貢した倭王 師升、そして女王卑弥呼が眠っている王墓 は、これらの遺跡のいずれかに含まれているのだろうか? それとも2千年経った今も眠りについているのだろうか? 更に古事記には神武天皇東遷が記述されている。東遷の年代は? 筑紫から宇佐に向かうと記載されているが、筑紫の出港地は何処か? クシフル山に近い博多湾に「山門」(やまと)がある。地図にもある ようにJRの駅名は「下山門」。この地から出港したとすれば「山門」 (ヤマト)は神武にとって東遷開始の記念すべき場所となる。 古代史は謎がつきない。 |