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桜は菊とともに日本の国花であり、日本人にとって最も心をなごませる花です。さて「桜」というのは 元々どのような意味なのでしょうか? 「桜」が我が国の史書に初めて登場するのは720年に編纂された「日本書紀」です。履中天皇3年に 天皇の盃に桜の花びらが散ったという話で登場します。この頃の桜は染井吉野が世に出る1000年前 ですから、「山桜」のことと思います。 「桜」の原義は多数あります。代表的な3つを紹介したいと思います。 一つは日本書紀にも712年に編纂された古事記にも登場する「コノハナサクヤ」姫です。コノハナサクヤ姫は オオヤマツミノ神の次女でホノニニギの尊と結婚します。オオヤマツミノ神は山の神であり、コノハナは木の花で サクヤは「光輝くように咲くこと」を意味しています。桜の美しさを宿した神と考え、この「サクヤ」が「サクラ」に 転じたとする説です。(谷川士清) ただ万葉の頃は「花」といえば「梅」をさしていたので、古事記や日本書紀の編者が「コノハナサクヤ」姫に対して 「桜」をイメージしていたかは疑問があります。 |