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この図は大社本殿内の配置図。 階段は本殿の右半分の位置にあり、そこに扉がある。扉を開けてそのまま神座には進めず、左に回りこんでから 神座に達する。ここで出雲大社の次の謎が登場する。拝殿全体は南を向いているので参拝者は北に向かって参拝 することになる。ところが神座が西を向いているため、参拝者を向いていないことになる。これが出雲大社の 次の謎である。実際、本殿の左側の回廊には小さな参拝所が設けられており、ここで神座に向かって参拝ができる ようになっている。 神座の配置の理由については様々な説がある。神座の向いている西には日本海に臨む「稲佐の浜」がある。 旧暦10月の神迎祭では、この浜に神々が上陸するということで、稲佐の浜で神事が行われる。神座は西の海を 眺めているという説もある。また図のように神座の横に「御客座五神」が配置されている。この五神とは古事記 「天地の初め」に登場する天之御中主神以下の5神であり、大国主神の大先輩にあたる。従ってこの五神の横に おられるのだという説もある。参拝者はこの5神に向かって参拝していることになる。 出雲国松江市にある国宝神魂神社は出雲大社の本家ともいえる神社であるが、この神社もいわゆる大社造りと なっている。ここでは本殿の入り口から入った時に板間仕切が出雲大社と反対の位置にあるため、神官は入り口から まっすぐ進むことができ、神座は結果的にレイアウト的には大社と反対側を向いて配置されている。神魂神社の資料 ではこの配置を女造と呼び、出雲大社の配置を男造と呼んでいる。 |