「獅子・狛犬」百態

平安時代末期に、黄色い獅子と白い狛犬の記録がありましたが、その後、体や鬣(たてがみ)
・尾の色は、獅子は金色と緑青色、狛犬は銀色と群青色、また、鬣は獅子は巻き狛犬は直毛、
耳は獅子は垂れていて狛犬は立っている、といった違いを表した「獅子・狛犬」や、狛犬の角
に対して宝珠のある獅子も登場しました。

その時代の造形様式、風潮、造り手の創意工夫が反映され、種々様々な「獅子・狛犬」が造
られました。

狛犬 獅子

「火伏の神輿」の“獅子”(右)と“狛犬”(左)

協同組合伊勢佐木町一、二丁目商和会 所有


 「獅子・狛犬」から「狛犬」へ

平安時代に誕生したといわれる“獅子”と“狛犬”の一対の像。
阿形や吽形、体の色や鬣や耳の違い、角の有無等で“獅子”と“狛犬”を区別し「獅子・狛犬」
と呼んできました。

江戸時代になると、阿・吽の違いだけを残して左右同体にした「獅子・狛犬」が多くなりました。
そして、呼び名も「獅子」が省略されて「狛犬」に変わっていきました。

今、私達は参道で様々な狛犬を目にすることができます。
子を連れた狛犬、玉(鞠)を持った狛犬、さらに、一家を想像させる狛犬も少なくありません。

その昔、宮中で天皇を守護していた、いかめしい霊獣「獅子・狛犬」も、今やぐっと身近な存在
になりました。


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