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祇園山古墳は高良山の麓にあります。高良山には筑後一之宮の 「高良大社」があります。 高良大社の宝物殿に2枚の鏡が展示されています。一枚は三角縁 三神三獣鏡で、もう一枚は四雲文重圏規矩鏡(直径20cm)と 呼ばれるものです。前者は日本製、後者は中国製(舶載鏡)の 後漢鏡です。 品質が全く異なり、舶載鏡「四雲文重圏規矩鏡」の出来栄えは 素晴らしいものです。後者は高良山の麓にあった鏡山神社が保有 していたものと伺いました。祇園山古墳の副葬品と関わりがある のではと思います。 この高良大社に1000年近くにわたって神職の最高位である 「大祝」(おおはうり)のみが見ることが許された古文書「高良 玉垂宮神秘書」(高良記)があります。この古文書の内容が昭和 45年に高良大社創建1570年の記念事業として昭和47年に 高良大社から発行されています。非売品です。私は2010年に 高良大社に参拝した際に神職の方からこの本のことを伺い、 その後東京永田町にある国会図書館で拝見しました。 この文書には神功皇后が仲哀天皇と死別した後の再婚のこと、 全部で9人の皇子を産んだことなど驚くべきことが多数記載されて います。また先ほどまで紹介してきた「三井」(御井)のいわれや、 「磐井」のいわれのことも記載があります。 まず「三井」のことです。高良山には三つの井があるので三井郡と なったことが示されています。実際に久留米の古代の遺跡から三井と 墨書あるいは刻書された土器が出土しています。 それでは2つの「井」を次に紹介します。 |