法隆寺

法隆寺

  世界最古の木造建築といわれる奈良の法隆寺。
1993年姫路城とともに我が国初の世界遺産として登録。
「法隆寺地域の仏教建造物」として現存する木造建築物と
して世界最古の法隆寺と現存する最古の三重塔のある法起寺が
登録されている。
法隆寺は日本の古代史で最も大きな謎の一つを秘めている。
720年に成立した日本書紀には法隆寺が何時・誰によって
建てられたが記載されていない。ただ670年に火災で
「一舎を残さず焼失した」とある。実際に火災の後と
思われる壁画片も最近出土している。従って現存する建物は
670年以降のものでなければならない。

しかし五重塔の心柱の伐採年は年輪年代法によって594年に
伐採されたことが確認されている。
また金堂の中央に安置されている釈迦三尊像の光背には、
この像を造った理由と年が刻まれている。
それによると法興元31年辛巳の年(621年)に鬼前太后が
亡くなり、翌年(622年)に王后と上宮法皇が亡くなり、
癸未の年(623年)にこの釈迦三尊像を造るとある。
日本書紀には621年に聖徳太子が亡くなったことが記載
されているが、上記のことは一切記載されていない。更に
「法興」という元号は大和朝廷の元号にはない。
(645年の大化が初めてとされている)670年に一舎を
残さず焼失したとの記述との矛盾、そして日本書紀には無い
元号が登場するこの謎を解く鍵は?


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